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レポート

■汚れが落ちるしくみと汚れ落としのコツ

アドバイザー:長谷川 治(太陽油脂(株))

今日は、みなさんといっしょに簡単な実験をしながら、石けんや重曹・酢などを使った基本的な『汚れ落としのコツ』をお話しします。  汚れが落ちるしくみが分かると、ふだん何気なくやっていたことがとても楽しくなります。それでは始めましょう。(2003年秋に行われた生協の学習会より)

■Study 1☆ 石けんとアルカリ・酸

 石けんは『石鹸』と書きますが、この『鹸』は音読みで『ケン』、訓読みでは『あく』と読みます。『あく』は『灰汁』(木を燃やした灰を水に溶かした上澄み)と書きます。料理の時に浮いてくる『あく』をなめると少し苦い味がしますが、これを化学の言葉で『アルカリ』といい、『灰』を意味します。  この反対が『酸』。酸の代表は今日これから実験に使う『酢』です。酢は化学では『酢酸』といいます。その他に『クエン酸』『塩酸』などいろいろな『酸』があります。

石けんは今から5,000年ほど前の古代ローマ時代に、儀式で焼いた羊の肉からしたたり落ちた脂と木の灰が混じったものから偶然発見されました。だから石けんの原料は『脂』+『灰』です。17〜18世紀になって海水から食塩(塩化ナトリウム)を採り出し、灰の代わりに『ナトリウム』 で石けんを作る方法が考え出されました。ですから現在は、『油』+『ナトリウム』(水酸化ナトリウム)が石けんの原料ということになります。

■Study 2☆ 身近なアルカリ・酸のつながり 

●重曹は略した名前

最近注目されている『重曹』は『重炭酸ソーダ』を略して当て字で書いています。英語では“soda”。ソーダという言葉は、本当は『ナトリウム』ですが、一般には『ソーダ水』という飲み物と混同しています。後で実験してみますが、コップに重曹を入れ、酢を加えるとブクブクとCO2(炭酸)の泡が出て、炭酸ガスが水に溶けたソーダ水になります。昔からソーダ水は重曹に酸を入れて作ります。

●重曹を熱すると炭酸ガスが出て、炭酸ソーダが残る

重曹は、酸を入れなくても70〜80℃くらいまで加熱すると含まれている炭酸ガスが出てきます。では重曹から炭酸ガスが出てしまったあとには何が残るでしょうか? それは『炭酸ナトリウム』=『炭酸ソーダ』というものです。粉石けんの表示を見ると『純石けん80%、炭酸塩20%』などと表示されていますが、この炭酸塩が『炭酸ナトリウム』=『炭酸ソーダ』です。

くわしく知りたい1
重曹の本当の名前
NaHCO3
『重炭酸ナトリウム』または
『炭酸水素ナトリウム』
●重曹を熱すると炭酸ガスが出て、炭酸ソーダが残る

重曹重曹は、酸を入れなくても70〜80℃くらいまで加熱すると含まれている炭酸ガスが出てきます。では重曹から炭酸ガスが出てしまったあとには何が残るでしょうか? それは『炭酸ナトリウム』=『炭酸ソーダ』というものです。粉石けんの表示を見ると『純石けん80%、炭酸塩20%』などと表示されていますが、この炭酸塩が『炭酸ナトリウム』=『炭酸ソーダ』です。

くわしく知りたい2
重曹を熱すると
重曹を熱すると
●ベーキングパウダーは重曹+酸

料理でよく使うベーキングパウダーは、重曹と酸を反応しない状態で混ぜてあるものです。まんじゅうを作るときに小麦粉にベーキングパウダーを混ぜると、重曹と酸それぞれが小麦粉と混ざった状態になり、水を入れて初めて酢と重曹が溶けてくっつき、その瞬間に炭酸ガスの泡が出てまんじゅうが膨らむというしくみになっています。

●アルカリ度・酸性度(pH)

酸性かアルカリ性かを示す化学のものさしでは、炭酸塩はpH(ペーハーまたはピーエイチと読む)11くらい、重曹は8くらいとなっています。pH7が中性で酢やクエン酸はpH2〜3で酸性です。普通の粉石けんはpH10くらいで、弱アルカリ性となります。  炭酸ソーダはpHがやや高いので、これを直接使うと手荒れすることがありますので注意しなくてはいけません。洗濯機で洗濯する場合は、炭酸ソーダは特に汗などの乳酸(酸性)を中和し、石けんの洗浄力を発揮しやすくさせるので、配合されている方が汚れに対して強いと言えます。重曹は炭酸ソーダよりpHが低いので、汚れを落とす点では弱いですが、手で触っても大丈夫。

■Study 3☆ 汚れ落としの基本

●油汚れは石けんで

ナチュロン400汚れにはいろいろな種類があります。一つは油汚れ。天ぷらを揚げたときに周りに飛び散 る油汚れや、煙となって蒸発した油が上に昇って冷やされ、また油に戻って換気扇やレンジフードにくっついた油汚れなど。この油汚れを落とすのに一番いいのは油に溶けるものを使うことです。石けんの原料は油とナトリウムですから、石けん分子の半分は油です。油汚れには油に溶ける部分がくっつきます。そしてナトリウム部分が水に溶けるので、水に溶かし込まれ汚れが落ちます。これは洗濯でも食器洗いでも、原理は同じ。

●水に溶ける汚れは水で

服についた汗などは水溶性の汚れですから水だけで落ちます。実は洗濯物の汚れの半分は、水に溶ける成分の汚れなので水だけで落ちます。石けんや洗剤を使わないで、例えばセラミックの洗濯ボールや、特殊な水を使う方法がありますが、確かに汚れが落ちます。しかしそれは水だけでも落ちているのです。サンヨーが洗剤の要らない洗濯機を発売しましたが、どんな洗濯機でも水洗いだけで汚れはある程度落ちます。  最近はあまり汚れていなくても洗う習慣になりました。それで洗剤のいらない洗濯機とかセラミックボールなどが登場してきたわけです。

●固まった油汚れは重曹で

ついた油汚れがまた加熱されて酸化し、だんだん固まってこびりついたもの、油滴と空気中の綿ぼこりがくっついてドロドロベタベタになった換気扇などは水では落ちません。こびりついているので石けんでも落ちにくい。こういうときは重曹など研磨力のあるもので物理的にこすり取ります。

くわしく知りたい3
石けん分子のしくみ
石けん分子のしくみ

■Study 4☆ 汚れ落としの化学的原理

●酸素系漂白剤が働くしくみ

酸素系漂白剤ひどい汚れやこびりついた汚れは酸素系漂白剤を使っても落ちます。重曹を分解すると炭酸ソーダとCO2になりますが、炭酸ソーダに過酸化水素H2O2をくっつけたものが『酸素系漂白剤』です。これは水に溶かして加熱すると酸素Oが発生します。この酸素が汚れと結合(酸化)して汚れを水に溶かし込んだり、 物理的に剥がす働きをします。

●酸素系漂白剤で『高温洗い』

運動会の季節になると、「粉石けんで洗っているうちの子の体操着は黄ばんで見える。どうしたらいいのでしょう?」という質問がよくきます。この場合は酸素系漂白剤を使います。洗い桶に熱いお湯を張って体操着を入れ、そこに酸素系漂白剤を入れるとすぐ酸素の泡がブクブクと立ってきます。その泡が黄ばんだ汚れを酸化させ、体操着を白くするので、運動会の前にこの方法で洗っておくといいでしょう。下着などが黄ばんできたときにも同じように洗うと白くなります。ただしウールやシルクは繊維が縮んだり、からまったりしますので向きません。丈夫な綿製品は温度がかけられるということです(すでに繊維が変質した場合などは白くなりません)。  長い期間に積み重なった落ちない汚れの洗濯のコツは温度です。人間が出す汚れには汗の成分と皮脂があります。それが襟や袖に特に多くつき、なかなか落ちないのは、着ているときは人間の体温で汚れはいわば溶けている状態ですが、脱いで放置しておくと冷えて固まり、だんだん酸化して黄ばんでくるので、その場合は熱をかけて洗うと汚れが取れやすくなるのです。酸素系漂白剤もあわせて使って、汚れを引き剥がしてしまうというのが化学的原理。

くわしく知りたい4
※温度を上げて洗う方法2つ※

酸素系漂白剤で『高温洗い』【1】酸素系漂白剤で高温洗い(漂白)
 洗い桶に60〜70℃のお湯を2〜3L入れて、酸素系漂白剤をめやすとして20〜30g溶かし、その中で体操着を30〜60分つけて漂白し、後は普通に洗います。

酸素系漂白剤で『高温洗い』酸素系漂白剤で『高温洗い』【2】粉石けんで煮洗い
@ナベ(アルミは×)に水とナチュロン粉せっけんN(水2Lに対して粉せっけん10gくらいの割合)を入れて火にかける。
A溶けたら体操着を入れ、吹きこぼれないくらいの火加減で20〜30分煮ます。
B煮終わったらよくすすぎます。
C衣類のリンスで仕上げるとさらにスッキリ。

■Study 5☆ 汚れ落としの物理的原理

●こする、もむ

もう一つの原理は、こする、もむという物理力を加えることです。物理的力という点では、襟、袖の中にまで入り込んだ汚れは洗濯機の力だけでは足りないので、固形の石けんをなすりつけて手でもんでから洗濯機に入れます。  ところが最近は物理力が弱い洗濯機が多く、力強く回らないんですね。さらに洗濯物をめいっぱい入れるので、下のパルセーターが回っても一番上はちょっとしか動かない。そうすると、石けん液の中に入っていても物理的な力が加わらないからよけい汚れがよく落ちません。

●洗濯機で一度に洗う量は3割カット

洗濯機には何キロ洗いという容量がありますが、あの容量いっぱいに洗濯物を入れると汚れはほとんど落ちません。容量よりも3割少ない量で洗うのがコツです。本当は脱いだら洗うではなく、汚れたら洗うのであれば洗濯物の量が減り、少ない量で洗えばよく落ちるということですが、現実は洗濯機にめいっぱい入れて、水面より上に洗濯物が出ている状態で洗っています。そうすると汚れは上に浮いてくるので、それが衣類に再付着し、干したときに白いものがついてしまいます。表示より3割くらい少ない程度の量で洗うと、白いものが付着するとか黄ばむということがなくなってきます。

■Study 6☆ おもしろ実験

●重曹+酢=『ソーダ水』

まず重曹をコップに入れ、そこへ適当量水を入れてください。溶けなくてもいいです。そして酢を入れてどういう現象が起きるか、注意してみてください。入れた瞬間泡が出て、コップの壁面に小さな泡がついています。  これは炭酸ガスで、できあがったのが『ソーダ水』。このまま飲めます(エー!?という声)。入れたのは重曹と酢ですから、炭酸ガスが出たらソーダ水になりました。これが明治時代に『ソーダ水』として売られました(サイダー?の声)。そうそう、この炭酸ソーダに少し砂糖を入れるとサイダーです。ちょっと味をみてください(もう甘いんじゃない??の声)。もっとも、入れた酢の量がまちまちですから味もそれぞれです(笑)。

ソーダ水ができるソーダ!
実験してみると
1.コップに重曹と水を適量入れる。重曹が溶け残っていてもOK 2.そこに『酢』を入れるとシュワシュワッと炭酸ガスの泡が出て、甘くないソーダ水の出来上がり
●石けん+酢は×

今度は新しいコップに液体石けん(ナチュロン400番)を二押しくらい入れたあと、酢を入れてみてください。どういうことが起きるか? 振ると上の方に白い固まりが浮いてきます。石けんなのに泡も立たなく、水と油に分離していました。これは石けんに酸を加えると元の原料の油と塩(ナトリウム)に戻ってしまったものです。下の水状が塩水で上に白く浮いているのが油です。

この原理が分かると、台所で酢の物とかマヨネーズ、ドレッシングなどがついたままの食器をいきなり石けんで洗うと、その瞬間にお手元のコップの中と同じ現象が起きることが理解できます。ときどき、「石けんで洗うと食器がベタベタして汚れが落ちないんですけど」という質問がきますが、それは酸性の汚れがついたまま石けんで洗うからです。マヨネーズなどはボロ布等で拭き取ってから石けんで洗うことが大切です。

●お湯+酸素系漂白剤

調理台の上にある茶しぶのついたアルミの急須に水を入れ、ガスコンロで加熱してください。沸騰したら火を止めて、この湯の中に少量の酸素系漂白剤を入れてみてください(わー、すごい!の声)。泡がいっぱい出てきましたね。これは酸素の泡なので吸い込んでも大丈夫です。同時に茶しぶの汚れが上に浮いてきました。(ほんと、すごいわぁの声)。このように、酸素の力と熱の力で汚れをきれいに落とすことができます。

■Study 7☆ 組み合わせでパワーアップ

●重曹+石けん

重曹+石けんアルカリとしての研磨力と、油とくっつく界面活性剤としての作用を両方使うためには、石けんと重曹を混ぜるのが一番効果的です。作り方は、容器に重曹と液体石けん(ナチュロン400番)を入れてスプーンでかき混ぜてドロドロ状にするだけです。  それではスポンジをぬらして、今混ぜたものを少し付けて、茶渋のついた茶碗や汚れた調理器具をこすってみてください。そうすると黒い汚れが取れてきます。

重曹と400番を混ぜる。名付けて「重曹400番」?!

●重曹+酢+お湯

重曹+酢+お湯次は、今洗ったお鍋に水を入れてお湯を沸かします。沸騰する手前 70〜80℃くらいまで温めてください。その間、重曹を排水口に振り入れて、それに酢をかけます。そこへお湯を注ぐと泡がぶくぶく立って汚れやぬめりを取ります。本当は先にお湯を入れて温めて、そして重曹を入れて炭酸ガスで作用させると汚れがやわらかくなってきます。その後に重曹と石けんを混ぜたもので洗うとさらにきれいに落ちます。要するに温めて汚れをやわらかくして、炭酸ガスで浮かしてから洗うと効果的であるということです。

重曹や酸素系漂白剤のパワーを体験する参加者のみなさん

■Study 8☆ -まとめ- 汚れ落としの極意(コツ)は『温度+化学力+物理力』

今日の話をまとめると、汚れは温度が高いほどよく落ちる。そこに、重曹の場合は炭酸ガス、漂白剤は酸素の泡で汚れを分解し、引き剥がす力をプラスする。あわせて手でこするなどの物理的力、重曹の研磨力などを活用すると汚れ落ち効果がさらにアップするということ。  以上のことを頭に入れて、みなさんのご家庭でもぜひ試してみてください。(終わり)

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