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レポート

■足元から環境を考える

老舗高級旅館の女将がたどり着いた結論

滝の湯の全景。滝の湯の全景。

将棋駒の生産日本一を誇る山形県天童市は、湯量豊富な温泉の街としても知られている。老舗高級旅館では毎年、将棋のタイトル戦が行われ、松尾芭蕉の句で有名な山寺や蔵王などへの観光拠点でもある。そうした旅館の一つである「滝の湯ホテル」が6年前から「人と環境に優しい宿造り」をテーマに掲げ、従業員が一丸となってさまざまな試みを行い、注目を集めている。

滝の湯の全景。中庭にはかやぶきの茶室がある。

3種類の油脂にアルカリを加え、撹拌する同ホテルの創業は1911(明治44)年。将棋のタイトル戦が行われるほか、皇室関係者が宿泊する宿として、よく知られている。

環境問題に関心を持ち始めたのは15年ほど前にさかのぼる。当時はバブル経済絶頂期で、約100の客室は、宿泊客でにぎわっていた。ところが、残飯やゴミの多さが問題となっていた。女将の山口隆子さんが言う。

「視察で行ったアメリカで生ゴミの処理機を見て、残飯を有機肥料として利用しているのを知りました。そうしたリサイクル循環システムをホテルでも構築できないだろうか、と考えたのです」

山口元社長が中心になって自家農園で野菜栽培をはじめ、ホテルで出た生ゴミを原料にした有機肥料を使うことにしたのだ。そして、収穫後はホテルの食材にした。  今では1・4ヘクタールの畑で野菜やブドウの栽培を行い、無農薬の新鮮で安全な食材を確保している。さらに、化学調味料を使わない料理を供するように配慮しているほか、自家農園で採れたブドウでオリジナルワインを醸造するなどしており、宿泊客の評判を呼んでいる。

JR天童駅前。将棋駒の町らしく、郵便ポストの上に王将の駒が。
東京からは山形新幹線で2時間50分で行ける。

●天然素材のせっけん製品を全館で使用

滝の湯温泉の大浴場で使われているパックスナチュロン製品99(平成11)年からは従業員による「環境衛生委員会」を設置し、自然環境や人体にやさしいせっけん洗剤をホテル全館で使うことを決め、山形市でリサイクルせっけんを製造しているNPO法人「知音」(山ア多代里理事長、下段コラム参照)の協力を得ている。  調理に使った廃食用油を「知音」が回収し、この油を原料にしたリサイクル粉末せっけんで食器類の洗浄や館内清掃を行う。また、浴場などのシャンプーやリンス、ボディソープは太陽油脂(株)の天然油脂成分が原料のせっけん製品「パックスナチュロン」を利用している。女将の山口さんは、こう話す。  
「リサイクルせっけんやせっけん製品を使うにあたり、それまで使っていた洗剤や漂白剤、殺菌剤などは、すべて処分しました。当初は従業員にも戸惑いもありましたが、手荒れなどもなくなり、使い方も工夫することで、今ではすっかり慣れ、人に優しい、自然に優しい宿づくりに取り組んでいます」

滝の湯温泉の大浴場で使われているパックスナチュロン製品

 現在では、紙類の分別収集や発砲スチロールの不使用、節電などにも従業員が一丸となって取り組み、ゴミやエネルギーの削減でも一定の成果を上げ、一昨年5月には環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001」も取得した。

そうした取り組みが注目を集め、環境問題に関心が高い観光業や地方自治体関係者などによる視察も増えているという。同ホテル常務の山口敦史さんは、こう説明する。

「以前は大浴場にたくさん積んでいたタオルやバスタオルも、水資源の有効利用と排水の抑制のため、各部屋1枚にするなど、お客さまのご理解とご協力も得ながら始めました。従業員がいろいろな経験を積み、自信を持つとともに、お客さまからのクレームもなくなり、逆に励ましの言葉をいただけるようになりました。従業員の環境意識の高まりとともに、トータルなコストが下がる、という副次的な効果も出てきています」

●同業者にも広がる環境意識の高まり

「滝の湯ホテル」のような取り組みは、環境意識の高まりとともに、全国的にも広がりを見せている。

同じ山形県の「かみのやま温泉郷」の旅館でせっけん製品の使用を始めているほか、村全体でコシヒカリの有機栽培に取り組んでいる新潟県阿賀野市笹神村にある五頭温泉では、旅館組合加盟すべての旅館がパックスナチュロンなどのせっけん製品を使い、河川の汚染防止に力を入れている。また、オートキャンプ場やコテージなどからなる複合施設である福島県安達郡大玉村の「ふくしま県民の森フォレストパークあだたら」では、「化学合成洗剤の不使用」という利用ルールが明確に定められ、ビジターセンターでは天然成分のせっけん製品しか販売されていない。

せっけん製品は、川や海に排出されても水の中のカルシウムと結びついてカルシウムせっけんとなり、それが微生物や魚のえさとなって循環する。豊かな自然を売り物にする地方の観光地にとって、自然環境の悪化は死活問題に直結するのは事実。そうした地域で、地に足がついた地道な取り組みがささやかに、しかし、着実に広がってきている。

これらの事例から分かるように、環境を守る試みは、身近なところから、すぐにでも実践できる取り組みであることが分かる。

女将の山口隆子さんと長男で常務の敦史さん。敦史さんはホテル名物の手打ちそばの名手でもあり、「うまい」と評判だ

女将の山口隆子さんと長男で常務の敦史さん。
敦史さんはホテル名物の手打ちそばの名手でもあり、「うまい」と評判だ

●地域で使い、地域で作る廃食用油のリサイクル

NPO法人「知音」の先進的な試み

「滝の湯ホテル」で使い終えた食用油をせっけんとしてリサイクルしているのが、山形市にあるNPO法人「知音」だ。ホテルなどの事業所や商店、市給食センター、一般家庭などから回収した廃食用油で粉せっけんを製造し、油を提供してくれたとところへ納品している。

ゴミ回収者にBDF燃料を注油する山形市職員。「知音」では工房の屋根に太陽光発電パネルを取り付け、東北電力向けに売電も行っている

リサイクル粉せっけんというと、「油くささが抜けない」などのイメージがあったが、「知音」では独自の処理をして良質なせっけんを製造しており、環境大臣賞を受賞した。「油汚れがよく落ちる」と利用者の評判も上々だ。  現在、予約制で月1トンを製造しているが、リサイクルせっけんにとどまらず、廃食用油でバイオ・ディーゼル燃料(BDF)を精製する装置も購入し、市のゴミ回収車や事業所の営業車の燃料にする試みも行っている。理事長の山ア多代里さんは言う。

「食用油はもともと菜の花の実を搾ったもので、使用済みとなった油をせっけんや燃料として再使用することは、環境を守り、循環型社会の地域モデルになります。BDFは二酸化炭素排出量も少なく、発ガン性物質もなく、近年、急速に注目されている燃料です。精製の過程でできたグリセリンは有機肥料の原料になっており、100%活用しています」 「知音」でできたBDF燃料でゴミ回収車2台を走らせている山形市清掃管理課の向田泰行さんは、笑顔を交えながら、こんな話しする。

ゴミ回収者にBDF燃料を注油する山形市職員。「知音」では工房の屋根に太陽光発電パネルを取り付け、東北電力向けに売電も行っている

釜でたきあげてできたリサイクルせっけんを乾燥させる「知音」理事長の山アさん。この後、大型ミキサーで粉砕すると、きめの細かなリサイクル粉せっけんが出来上がる

「ディーゼル車で使用できるBDFは、パワーや燃費、値段も軽油とあまり変わりません。異なることといえば、排気ガスが天ぷら屋に入ったときの臭いと似ていることでしょうか。まあ、食用油が原料ですから、同じはずですよね」

「知音」では菜の花の栽培をして食用油精製も手がけ、循環型のまちづくりの実践に取り組んでいる。その活動は地元住民や行政にも評価されており、全国各地の自治体や研究者、市民団体などが視察に訪れている。

釜でたきあげてできたリサイクルせっけんを乾燥させる「知音」理事長の山アさん。この後、大型ミキサーで粉砕すると、きめの細かなリサイクル粉せっけんが出来上がる

釜でたきあげてできたリサイクルせっけんを乾燥させる「知音」理事長の山アさん。この後、大型ミキサーで粉砕すると、きめの細かなリサイクル粉せっけんが出来上がる

「知音」の工房で造られているリサイクル粉せっけんと工房近くの畑で栽培された菜の花が原料の菜種油

滝の湯ホテル
〒994-0025
山形県天童市鎌田本町1-1-30
TEL:023-654-2211 http://www.takinoyu.com/
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特定非営利活動法人「知音」
〒990-2404
山形市八森字中坪49-1
TEL:023-635-3804

(終わり) 【掲載:毎日新聞 2005年3月26日 朝刊(福島・山形・新潟版)】

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