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レポート

2011シャボン玉フォーラム in埼玉

今回取材した「2011シャボン玉フォーラムin埼玉」(協石連※主催、5月21、22日開催)は、3月11日の東日本大震災による被災者の皆様へ黙祷を捧げることから始まりました。
主催者側からは「この震災は復興の前段であるがれきの撤去一つをとっても、それに含まれる有害な化学物質が処理を大変困難なものにしています。また原子力発電所の危険性、事故の問題、放射能についての情報がきちんと公表されないことなど、多くの人が色々な事を考え、気づかされたはずです。 これから私たちは、今まで以上に命と自然を大切にした暮らしを取り戻す努力していかなければなりません。」という決意の挨拶がありました。
今回のリポートはこのシャボン玉フォーラムより、3.11以降の視点からみた石けんを選ぶ暮らしと予防原則がテーマです。

講演前の太陽油脂ブース。

講演前の太陽油脂ブース。たくさんの方が興味を持って質問していました。

※協石連(協同組合石けん運動連絡会)は、石けん使用を入り口に、水環境を守る視点から幅広く暮らしを見直そうと活動する、漁協、農協、地域生協、大学生協など、全国59団体の協同組合によって構成されている組織。

■安心、安全な石けんが作られる温度で暮らそう!

長谷川 治(太陽油脂株式会社 取締役)

第3分科会「CMに惑わされていませんか…?」から

●温度で分ける3つの世界
長谷川 治

原子力発電と合成洗剤と石けんには一見何の関係も無さそうですが、広い目で見ると大きな関係があります。皆さんが普段生活しているのは、例えば今日のように気温25度とか28度の世界です。ご飯を食べるときに飲むお茶は80度、煮物を作るときは100度という具合に、通常は0度〜100度の中で生活しています。合成洗剤はというと、500度ぐらいの温度でエチレンを加熱し、ベンゼンやエチレンオキシドなどの化学物質を作ります。そして原発事故が起きたときは、いわば原爆と一緒ですから非常に高い温度です。メルトダウンといいまして、2800度くらいまで温度が上がり燃料棒が溶け落ちました。原発というのは、まだ完成されていない技術ですから、いったん失敗したらなかなか抑えられません。たぶん30年間は抑えられないでしょう。そしてこの高い温度では、物質の元素がまるっきり他のものに変わります。ウランがプルトニウムに変わり、ヨウ素とセシウムができてしまうのです。そしてその時、放射線を出すということになるのです。

5000度の高温の世界は太陽です。太陽は水素でできています。毎日水素爆発を起こしている、いわば核融合です。水素が二つ付くとヘリウムに変わり、その時に放射線を出します。ですから、太陽からも放射線がたくさん出ていて、世界中に降り注いでいるわけです。かつて地球は、放射線が強すぎて人間が住めませんでした。それが、オゾン層というものができて、有害なα線・β線・γ線などをすべて跳ね返し、暖かい光だけが入ってきて、二十何度の生活ができるようになりました。やがて植物が生まれ、動物が生まれ、人間が生まれ、皆さんがここに居るわけです。ところが人間は60年ほど前から化学物質を作ることによってオゾン層を破壊しようとしています。オゾン層が破壊されると太陽からの放射線がどんどん増えて、やがて人間も動物も住めなくなります。ですから、国連ではオゾン層を破壊する物質を減らそうとしているのです。

このように太陽は5000度、原発事故は2800度という高温ですが、合成洗剤は500度位で作ることができ、人間がコントロールできます。生産をやめようと思えば止めることができます。原発はやめようと思ってもすぐに止めることができず、全部止めても、あと数十〜数百年は死の灰をコントロールしなくてはなりません。このように温度を3段階(表1)に分けて考えると、我々がどのような生活をしなければならないか、ということが分かってくるかと思います。

【表1】

表1
●500度の世界と有害化学物質

【図1】

図1

500度の世界で作られるものには、良いものもあります。例えばプラスチックコップはポリエチレンでできています。炭素が2つのエチレンをたくさん付けていくとポリエチレンとなり、皆さんの日常生活に役立つ製品になります。しかしエチレンを3つ、六角形に付けますとベンゼン(図1)という非常に毒性の強いものにもなります。ベンゼンは、吸い込むと肺がんになる発がん物質です。そこにさらに温度をかけてアルキルとスルホン酸ナトリウムを付けますと、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムという合成界面活性剤(合成洗剤)ができます。これがどれほど有害なのか今まではよく分からなくて、坂下栄先生たちがねずみの実験などをして問題提起をしましたが、国の方では、はっきり有害だと言ってきませんでした。いくら学者がデータを出しても、「まぁ通常の使用では問題ない」と言ってきたわけですが、何が有害物質なのかをきちんと決めようということで、10年ほど前に国がPRTR法(化学物質排出移動量届出制度)を作りました。この法律により354物質を有害化学物質に指定し、さらに2年前、新たに108物質を増やして全部で462の化学物質が有害であるということを決めました。その結果、自動車の排気ガスやエアコンの冷媒(フロンガスなど)、オゾン層を破壊するような物質、それから合成洗剤などに含まれている界面活性剤などが有害化学物質だということになりました。そして、それを国民に分かってもらうために冊子を作り、皆さんの家庭に届けて、国民にどんなものが有害なのかを理解してもらい、それを減らしていこうということになったのです。何が有害なのかを環境省が実験してデータを出し、さらに世界の学者のデータを集めて全国で審議会を開き、有害化学物質を決定するというところまで進んできました。

新たに有害化学物質に指定された「ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム」は、シャンプーやボディーソープにラウレス硫酸Naと表示されて使われています。そんなに有害だったら国の方で禁止すれば良いではないかと思いますが、すぐには禁止できません。例えばベンゼンを禁止しますと、ガソリンの中にはベンゼンが入っていますので、自動車が止まり、日本の経済が止まります。どうすればよいかといったら、ガソリンにベンゼンが入らないように精製度を上げるとか、完全燃焼させるとか、フィルターを付けるとか、改善点を挙げて防いでいくのです。アスベストというものもありました。これも有害だということは分かっていましたが、代替品がないのでずっと使われ続け、ようやく昨年完全禁止になりました。そんなふうにまどろっこしいのですが、今までにない画期的な法律ができているわけです。この法律をうまく活用すれば、有害な化学物質を減らすことができます。原子力発電の方は、有害であるけれども明確な法律はまだできていません。これは今後、世論次第で変わっていくと思います。

●ドクロや警告マークを付けるシステム「GHS」

【図2】

図2

しかし、せっかく有害だということが分かっている物質でも、それはほとんど一般には知られておらず、皆さん使っています。まさかテレビ宣伝しているものに、そんな有害なものが入っているなんて誰も思っていないのです。そこで、そういう有害なものには「危険」または「警告」マークを付けるということが国連で決定されています。例えば、ちょっと舐めると死んでしまうようなものには、ドクロマークを付けます。実際に、農薬にはもうドクロマークを付けて販売しています。つまり農薬は、人間が飲んだら死んでしまいますよという注意喚起のために、ドクロマークが付くのです。また、胸が張り裂けるようなマークは肺がんになりますよという意味で、ベンゼンなどを使っているものには、このマークを付けなくてはいけないことになります。合成洗剤はどうかというと、手が荒れたりするというマークや目に入るといけないという警告、さらに川に流れると魚が死んだり植物が枯れたりしますよなどの警告マークを3つか4つ付けなくてはいけないことになります。洗剤工業会は、国連の決定ですから、決定に従いますと表明したことが、2011年1月31日の読売新聞のトップ面にニュースとして書かれております(図2)。

●石けん今昔ものがたり

では、そういう危険マーク付の商品の代わりに何を使えばよいのかといったら、洗浄剤でいえば昔からある石けんです。これは先ほどの温度で言うと100度以下で、それほど熱を使わず、CO2を出さないで作れます。皆さんご存知のように、石けんは5000年前に今のイラク、昔のメソポタミア文明が発達したところで一番初めに発見され、そのあとイタリアで発見されました。牛や羊の肉を焼いたときに油がしたたり落ち、その油と下の灰が混じると石けんができるということから、「鹸」の字は「あく」とも読みます。また「灰汁」と書いて「あく」とも読むので、灰と油が混じって石けんができたということが分かると思います。この灰の成分は主にナトリウム、カリウム(Na2CO3、K2CO3など)で、畑にまくと植物の栄養になります。死の灰とは全く違います。植物が燃えると、炭素(C)は炭酸ガス(CO2)となり、燃えカス(灰)はNa(ナトリウム)、K(カリウム)です。また「鹸」は「しおみず」とも読みます。なぜかというと、石けんは初め灰汁で作っていたのですが、その後、日本では明治に入って(ヨーロッパではもっと早くから)塩水を使いました。塩水(塩化ナトリウム)からナトリウムを取り出して水に溶かすと水酸化ナトリウム(NaOH)になり、成分的には灰に近くなります。それと油を混ぜあわせると石けんができるのです。

第3分科会

第3分科会は、定員を超えて人が集まり大人気でした。

石けんは今から500年ほど前に日本に入ってきました。現在NHKで「江」という大河ドラマをやっていますが、あのころの織田信長、徳川家康などは石けんを使っていたといわれています。ヨーロッパの宣教師が日本に持ち込んだということですが、一般大衆はまだ使っていませんでした。一般大衆が使うようになったのは明治に入ってからです。その頃より、石けんは油と水酸化ナトリウムを混ぜて作るようになりました。今日は皆さんに、この方法で石けんを作ってもらいたいと思います。


油脂とNaOH水溶液を混合し 5分間振るだけで石けんができあがる

油脂とNaOH水溶液を混合し、5分間振るだけで石けんができあがる

水酸化ナトリウム(カセイソーダとも言う)の水溶液が入ったペットボトルに、40℃に温めておいたオリーブオイルを入れ、5分間振るだけでだんだんドロドロになり、牛乳パックなどの容器に入れて熟成させれば固形石けんができあがります。つまり、私たちが生活している温度、100度以下で石けんはできるのです。皆さんの家庭でも簡単に作ることができます。太陽エネルギーを活用して、植物の葉が空気中のCO2をも使用して光合成で油脂を作り、種子に閉じ込めます。この種子から油脂を採り出し、海水中の塩から水酸化ナトリウムを作って油脂と混ぜ合わせてできたものが石けんです。石けんは太陽エネルギー(自然エネルギー)と自然の原料からできるのです。発電方法に例えると、太陽光発電のようなものです。そして石けんは使用後、川や海の中のミネラル(カルシウム)と結びついてカルシウム石けんになり、エサとして魚に食べられてしまいます。

石けんは安心・安全な洗浄剤だということが、このことからも分かると思います。しかし、合成洗剤に比べて価格がやや高く、使用方法にひと手間かかることがあります。

今回の大震災で、環境に優しく安全だと聞かされて増えてきた原発は、50年の歴史の中で、結局、危険極まりないものだと明らかになりました。合成洗剤の50年に比べ、石けんは5000年の歴史でその安全性が証明され、人体にも環境にもやさしいサスティナブル(持続可能な)洗浄剤として、子や孫、子孫に対して、責任を持つことになるのではないでしょうか。

実験1 実験2 実験3

他にも様々な実験が行われ、「石けんの本当の良さが分かった」などの声が上がっていました。

(おわり)

基調講演ダイジェスト

■「未来世代の健康と環境を基準とした予防医学」

千葉大大学院医学研究院 環境生命医学講座教授  森 千里先生のお話より

森 千里先生

森先生は、「胎児期の環境汚染物質曝露が出生後の健康に与える影響」について研究をされています。日常生活でどのように対応していけばよいのかについて、

「実際に何か起こってしまってから対応するのはとても大変です。起こらないと、それは本当に大変なのかという感じになりますが、今、なんだか子供たちの状態がおかしいというのは、少しずつ皆さん感じていると思います。私たちが言いたいのは、『予防に勝る治療なし』です。病気が発症してしまったり、何かあってから対応するのではなく、予防しましょう。環境が原因でいろいろなことが起こっているなら、その環境を改善して予防しましょう、ということが今日の環境改善型予防医学のテーマです。
健康に影響を与える因子には、次の3つがあります。1つは遺伝的素因です。ある病気になりやすい方となりにくい方がいます。次に環境です。ここでインフルエンザが流行っている、あるいは食中毒が流行っている、こういう時にはその環境が2番目の因子です。3番目は生活習慣、行動です。好き勝手に飲み放題飲み、食べたい放題食べ、吸いたいだけタバコを吸っていたら、いろいろな面で健康に悪いです。内因である遺伝的背景と外因である環境と生活習慣、この3つを考えて対応しましょう、ということを知っていただきたい。予防医学のために必要なステップが3つあります。1つ目は、まず知る、これがファーストステップ。セカンドステップが関心を持つ。生活習慣病で例えると、自分のおしっこから糖が出ている、血圧が高い、それを知るということがまず非常に大事です。そしてそれが疾患に結びつくことが分かれば、塩分を控えましょう、もう少し運動をしましょう、と行動に移す。3番目は、関心を持ったら少しでも予防するための行動をする。予防医学の重要なポイントが、『知る』『関心を持つ』『行動する』この3つです。」

基調講演の会場

基調講演の会場
「この話もっと早く聞きたかった!」との声もあがっていました。

とのお話がありました。(まとめ:編集部)

もっと詳しく知りたい方に、森先生の本「へその緒が語る体内汚染」をご紹介します。この本の中で、未来の子ども達のために、いま私たちができる対策を提案しています。

森 千里/戸高 恵美子 (著)
技術評論社

「へその緒が語る体内汚染」

(おわり)

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