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レポート

フェアトレードNGOとの共同事業参加レポート

■バングラデシュ・ネパールでナチュラルソープ作りをサポート

太陽油脂株式会社 家庭品販促・開発部 佐藤健一郎

地図

国際協力NGO「シャプラニール=市民による海外協力の会」(以下、シャプラニール)は、「バングラデシュ、ネパール産のナチュラルソープ開発・改良・輸入事業プロジェクト」(※1)に取り組んでいます。太陽油脂は、石けん製造技術専門家としてその事業に参加する機会を与えられ、2010年8月22日〜9月3日までの13日間、シャプラニールのスタッフに同行して実際に石けんを作っている現場を訪問しました。石けんの生産現場で交流を図りながら、石けんの品質向上のための改善指導にあたってきましたので、その報告をいたします。

※1:本プロジェクトは2010年度ジェトロ開発輸入企画実証事業で採択され、日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援を受けています。ジェトロとは、日本と海外の企業の円滑な貿易・投資の促進を目的として1958年に設立された独立行政法人。
●はじめに シャプラニールの紹介

国際協力NGO「シャプラニール=市民による海外協力の会」について紹介します。シャプラニールは、1972年に設立された特定の宗教、政治、企業、団体には属さず、一般市民の会費や寄付で運営されているNGO(Non-Governmental-Organization)です。「全ての人々の可能性が開花する社会」の実現を目指し、主にバングラデシュやネパールなどの南アジアを中心とした地域で@農村開発、A働く子どもへの支援、Bフェアトレードを通じた、経済的、社会的に取り残された人々への支援活動などを行っています。単に支援するだけではなく、自分の暮らしは自分でよくすることが基本であり、援助を受けることによって住民の依存心を生むことのないよう細心の注意を払うなど、支援される側の自立心の養成や持続性の確保を見据えながら、素晴らしい活動を行っています。

ちなみにシャプラニールとは、バングラデシュの言語・ベンガル語で、「睡蓮の家」という意味です。シャプラ(睡蓮)は、バングラデシュの国花にもなっているそうです。

■シャプラニールHP http://www.shaplaneer.org/

●プロジェクトの概要
プロジェクトメンバー顔合わせ後、太陽油脂正門前にて

プロジェクトメンバー顔合わせ後、太陽油脂正門前にて

この「ナチュラルソープ開発・改良・輸入事業プロジェクト」の最大の目的は、バングラデシュ、ネパールでつくる無添加石けんを、フェアトレードを通じて日本で販売し、生産者の生活向上を目指すことです。新規に石けん作りの事業を起こすのではなく、すでに現地で志を持って石けん作りを実施している生産者の方々を対象としています。

プロジェクトメンバーは、シャプラニールを始め、現地のNGOや日本の専門家で構成されており、太陽油脂は石けんの品質向上の担当として参加しています。その他にも、マーケティングやデザイン、広報の専門家も参加しており、日本で販売するために、現地訪問などを通して石けんの品質向上とブランディング化を進めています。

●バングラデシュの石けん生産現場訪問 〜独自に製法を学んだ熱意あふれる石けんづくり〜
セークレットマークの工房

セークレットマークの工房に到着(工房外観)。屋内に事務所や熟成室、包装室などがある

※2:1920年設立の米国、カナダを拠点とするキリスト教団体が集まってできたNGO

メンバー一行は8/22に日本を出発し、翌日にバングラデシュの首都ダッカに到着。酷暑の日本とは打って変わって快適な涼しさのダッカで打合せを行った後、8/25から、車で約4時間のマイメンシンという都市にある最初の石けん工房「セークレットマーク」の作業現場を訪問しました。

セークレットマークでは、代表のディーパさんが中心となり、14名の女性が石けん作りを行っています。国際的NGO“MCC”(※2)のテクニカルオフィサーでもあるディーパさんは、雇用創出プログラムの一つとしてナチュラルソープを作ることを思いつき、石けんについて独学で学び、事業を始めました。石けん作りに携わっているメンバーは、貧困ゆえに性的労働を余儀なくされていた現地の女性たちです。彼女たちは石けん作りという仕事に従事することにより、貧困や不当な労働から這い上がり、賃金を得て生活することができるようになりました。

ディーパさんは、石けん作りに大変情熱を持って取り組んでいる方です。私たちが現地を訪問する前にすでに『セークレットマークでの石けん作りが抱えている課題』を提示し、実際に訪問した際に次々と質問を投げかけてくる、たいへん意欲溢れる姿勢でした。

ディーパさん 仕込から順に工程を確認

写真左がディーパさん。セークレットマークが抱えている問題点などを聞いているところ

仕込から順に工程を確認。右からディーパさん、菅原さん(シャプラニール)、佐藤(太陽油脂)、植田さん(シャプラニール)、鈴木さん(ジェトロ・ダッカ事務局長)、作業中のメンバーの方

ディーパさんによると、最大の悩みは「出来上がった石けんの中に、ベタベタしたりボロボロと崩れたりするものがある」とのこと。さっそく熟成中の石けんを見せてもらったところ、確かにバラつきがみられます。中には崩れかかっているものやボロボロに崩れているものもありました。

そこで、製造レシピを見せてもらったところ、オイルの量に対して適切な苛性ソーダの量を使用していないのでないかと推測されました。まずは基本的なレシピの決め方を説明し、その後資料を送付するということになりました。

また、製造過程を見せてもらったところ、木型に入れるタイミングが早いことがわかりましたので、適正なタイミングについて写真を用いて説明いたしました。

 
鹸化工程 石けんの熟成室

鹸化工程(油と苛性ソーダを混ぜて反応させているところ)。 手混ぜで5時間位かかることが問題とのこと

石けんの熟成室 送風用の扇風機も設置してあり、ここら辺は日本と同じ

出来上がった石けん

出来上がった石けん。ハーブやエッセンシャルオイルなどの組み合わせで10種類くらいある

現地では日本のようにたくさんの石けんメーカーや専門家がいないので、書籍から学ぶしか方法がありません。試行錯誤して作り上げた製法や石けんに問題が無いのかを相談できる人もいないということから、彼女たちは製品に自信が持てず悩んでいたのでした。彼女たちの課題と同じ問題が日本の現場にも存在すること、そして何よりディーパさんたちの製法や出来上がっている石けんは立派なものであることを十分に伝えました。その結果、生産者のみなさんに自信を持ってもらうことができ、今後の石けん作りの継続や品質向上に協力することができたのではないかと思いました。

●ネパールの石けん生産現場訪問 〜都市部から遠く離れた農村部での石けんづくり〜

バングラデシュでの2日間の訪問の後、8/30から、ネパールのピュータンにある石けん工房「ジムロックサボンファクトリー」を訪問しました。その工房は、ネパールの首都カトマンズから航空便とジープを乗り継いで約1日半かかる、非常に奥地の農村部にあります。そこではドゥルガさんという女性が中心となり、自宅に隣接した小屋で畑仕事の合間を利用して石けん作りを行っていました。メンバーはドゥルガさんを含め、近隣に住む3名の女性です。メンバーの家族内の男性はインドに出稼ぎに行っていたり、他の女性と結婚するために家出をしており、そのような経済事情の中、少しでも収入の足しにしたいという思いから、数年前より石けん作りに取り組んできたのだそうです。

生産者の皆さん 石けん作りの工程について打ち合わせ

生産者の皆さん(左がドゥルガさん)。ジムロックサボンファクトリーの工場の前にて

石けん作りの工程について、ネパール語→英語とリレーしながら打ち合わせ。右からドゥルガさん、ウットラさん(現地NGO担当者)、植田さん(シャプラニール)、佐藤(太陽油脂)

ピュータンでの石けん作りには、バングラデシュとはまた違った課題がありました。作り方や出来上がった石けんに大きな問題点はないのですが、製造現場の安全性や衛生状態に改良の余地がありました。作業場のとなりに自宅があることから、苛性ソーダや火を使用する危険な環境に子供が頻繁に出入りすること、作業をする人が素手や裸足ではたいへん危険であること、これらすべてを改善するように指導いたしました。また、万が一、石けんに異物が混入していたら致命的となってしまうので、製造に使用している器具・道具の洗浄を徹底すること、使用しないときは蓋をすることなど、まずは今すぐできることを指導しました。

また、この石けん工房での作り方はアルコールを入れて急激に反応させる方法なので、混ぜる時間をもう少し増やして、石けんが十分均一になったところで充填するように指示しました。

鹸化工程 充填工程

鹸化工程(油と苛性ソーダを混ぜて反応させているところ)。 アルコールを入れて一気に混ぜ合わせます

充填工程(筒型に流し込む、その後一晩固めます)。四角い筒型もある

切断前後の石けん

前:切断後の石けん、後:筒から抜いた切断前の石けん。この後型打ちして完成

バングラデシュのセークレットマークと比較すると、ピュータン(ネパール)のジムロックサボンファクトリーは取り巻く環境やバックアップ体制が整備されていません。原料調達方法が乏しくその選択肢が限られていること、情報や資料を得ることが難しいこと、都市部にあるサポート団体との交流も頻繁にはできないこと、また、道路事情が悪く出来上がった製品の運搬が容易ではないことなど、日本では経験しない困難を乗り越えながら、石けん作りを続けている状況でした。

●訪問の成果と今後のプロジェクトについて

今回の訪問では、現地で作ったナチュラルソープを日本で販売するため、いろいろな面でアドバイスをするという役目でした。私自身もシャプラニールの信念に通ずるように、生産者が自分の力で向上していけるような、未来を見据えた形での支援をすることを念頭に置いて、できるだけの指導をさせていただきました。

昨年11月に届いたシャプラニールからの情報によると、今回の技術指導の結果、出来上がった石けんは日本での販売に通用するような品質を達成することができ(バングラデシュの「セークレットマーク」では、訪問後に作った石けんはムラが無く、ベタベタせず硬さがあり、しかもボロボロにならずに出来上がり、作業中のかき混ぜている時間も半分以下になった)、現地でもその成果にたいへん喜んでいるとのことでした。そして工房で働く女性たちをイメージし、石けんには“she”という名前がつく予定であること、さらに今年(2011年)の4月頃には日本の店頭にも並ぶ可能性があることなど、私たちにとってもたいへん喜ばしい「その後の進行状況」が伝えられました。

現地の方々は、石けんを売ってお金を貯め、いつの日か日本を訪れ、太陽油脂の工場を見学したいと言って下さっているそうです。私たちもぜひ日本の太陽油脂で再会することができるよう、引き続き協力体制を組んでいきます。

太陽油脂では、年100日以上、工場見学、石けん学習会、手作り石けん教室、環境講習会などを開催していますが、今回のシャプラニールとの共同の取り組みを契機に、今後もアジアでの技術指導、支援、交流、フェアトレードなどにも力を入れていくつもりです。

(おわり)

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