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レポート

■洗濯が成功する秘訣  --誰にでも簡単にできるコツを教えます!--

長谷川 治

太陽油脂株式会社 取締役家庭品販促・開発部長 長谷川 治

2009年2月、神奈川県にある生協の環境チーム主催で石けん講習会が開かれ、ペットボトル石けんを作ったり、様々な実験が行われました。

この講習会で詳しくお話した、汚れの落ちる仕組みや洗濯の工夫についてご紹介します。

●汚れにはどんなものがある?
油 脂肪

石けんがなぜ汚れを落とすことができるのか、実験をしたいと思います。その前に、汚れとは何でしょうか(表1)。下着などは体と接触していますから、汗や体の皮脂など、脂肪やたんぱく汚れが付いています。お子さんが外を歩けばホコリやドロ、そして食べ物をこぼしたときの汚れやカビ、また、煙突から出た黒い煤など、汚れには色々な種類があります。それらの中で一番多いのが、油汚れあるいはたんぱく汚れで、人間の体からくるものです。これらの汚れの種類によって、洗い方がいろいろと変わってきます。

 (表1)
汚れの種類  汗、血液、食品、文具、あか、化粧品、ほこり、土、塗料、カビ
分類法 汚れ
外観による分類 固体汚れ、液体状汚れ、これらの混合汚れ
親和性による分類 親水性汚れ、新油性汚れ、これらの混合汚れ
性状による分類 有機物汚れ、無機物汚れ、これらの混合汚れ
特殊なもの カビ、細菌、放射性物質の汚れ
●実験-1 汚れの性質と汚れ落としの原理

各テーブルの上に、水が半分くらい入ったコップがありますので、「油」を入れてこぼさないようにできるだけ激しく攪拌してください。攪拌を激しくしているときには、油が水に分散していますが、攪拌を止めるとすぐに油が上に浮いてきます。水と油は混じりあわない性質があるからです。さらに台所用の石けん液を、その水と油が入っているコップに一押し入れて激しく攪拌してください。そうすると、上のほうに泡が立ってきます。では、攪拌を止めてください。先ほどは油が上に浮いてきましたが、今度は油が上に浮いてきません。ただし攪拌が弱いと油が上に浮いてきます。攪拌が激しいと油が浮いてきません。油が水の中に小さく分散されて、白い状態になっています。これを「乳化した」といいます。つまり洗濯とは、体の皮脂汚れなどを洗濯機が攪拌することによって、石けんの力で汚れを水に乳化させているということです。油でも煤でもホコリでも同じで、汚れを小さい粒子にして、水に乳化(分散)させて流しているのです。

@水が半分入ったコップに油を入れる Aこぼさないように激しく攪拌する B攪拌をし続けている状態 C攪拌を止めると水と油が分離する
@水が半分入ったコップに油を入れる Aこぼさないように激しく攪拌する B攪拌をし続けている状態 C攪拌を止めると水と油が分離する
 
Dさらに台所用石けんを入れる E激しく攪拌する F攪拌を続けると白くなってくる G攪拌を止めても白く乳化した状態
Dさらに台所用石けんを入れる E激しく攪拌する F攪拌を続けると白くなってくる G攪拌を止めても白く乳化した状態
●実験-2 洗濯がうまくいかないときはこんな状態

さらに、このコップの中にお酢を1センチ程度入れ、軽くかき回してみてください。水と油が分離して、上に油が浮いてきます。泡は消えて無くなります。これは実験ですから、それぞれ多めの量でやりましたが、実は洗濯機の中でもこのような現象が起きているのです。洗濯機の中に、粉石けんや液体石けんを入れ、溶かして衣類を入れます。衣類についている油汚れを攪拌して乳化し、そのまま排水して汚れを取るわけです。そこに酸性物質が入る時があります。実験ではお酢ですが、実際は衣類に付着している汗です。汗は、お酢と似た成分なのです。汗を舐めると、ちょっとしょっぱい味と酸っぱい味がします。これは塩と乳酸です。体からは乳酸という老廃物が出ます。ですから、汗が入ると乳化が壊れてしまうのです。乳化が壊れて、油が上に浮いてきます。洗濯機の中で一番上に油(脂肪)が浮き、白い膜が張ります。そのまま脱水しますと、その白い膜が一番上の衣類にくっ付いてしまうのです。特に黒っぽいものですと、白いプツプツが目立ちます。実験は透明な液体の油を使いましたので白くはありません。ところが人間の皮脂というのは、体の表面では溶けているので液体ですが、衣類に移ると冷えて固まります。皮脂というのも実は、固形(脂肪)なのです。体温のある間は溶けていますが、冷えると固まりますから、洗濯機で洗濯した際に皮脂汚れが上のほうに白く固まるのです。そして脱水すると、白いブツブツが付くということになります。これが石けんカスと呼ばれているものです。

Hさらにお酢を入れる I軽くかき混ぜる J水と油が分離した
Hさらにお酢を入れる I軽くかき混ぜる J水と油が分離した
  「おぉー」、「あぁー」という驚きの声が…
●実験-3 洗濯・食器洗い・シャンプーで失敗する原因

では、なぜ酸性のもの、乳酸や塩が入ると乳化が壊れてしまうのかを、もう少し分かりやすく実験したいと思います。空のコップに石けん液を1センチくらい入れ、さらに同じ量くらいのお酢を入れて攪拌してください。白い塊のようなものが出来てきたと思います。この白い塊は、油(厳密に言うと脂肪酸)です。つまり、元の原料の油に戻ってしまったということです。そうすると、全く洗浄力がなくなります。汚れを落とすはずの石けんが、反対に汚れに変化してしまうということになるわけです。具体的には、例えば食器を洗うとき、台所用の洗剤をスポンジにつけて洗うわけですが、お皿が酸性になっている場合、つまり酢の物料理、ポン酢、ドレッシング、マヨネーズ、レモン、カボスなどの酸っぱいものが付いた皿を石けんをつけて拭きますと、石けんと酸などが反応して、石けんが油に戻ってしまうのです。そしてその油が付いたスポンジで、次の食器を洗っていきますと、なんとなく食器がベタベタした感じになって、合成洗剤に比べるとすっきりしないということになります。

@空のコップに石けん液を1センチ程入れる A同量のお酢を追加 B攪拌する C白い塊=脂肪酸
@空のコップに石けん液を1センチ程入れる A同量のお酢を追加 B攪拌する C白い塊=脂肪酸

では、合成洗剤はどうなるかというと、もう一つ別のコップに合成洗剤を入れ、同じようにお酢を入れて攪拌してください。白くはなりますが、上のほうに泡が立っていると思います。つまり、合成洗剤の場合は、酸性のものが入っても、何の変化もしない、元の石油に戻ることはないのです。だからそのまま洗浄力があるので、合成洗剤の場合は酢の物の皿でも何でも、一緒に洗っても落ちるわけです。

a)空のコップに合成洗剤を入れる b)同量のお酢を追加 c)攪拌する d)白く泡立つ
a)空のコップに合成洗剤を入れる b)同量のお酢を追加 c)攪拌する d)白く泡立つ

しかし、石けんの場合は、酸性の汚れがついたお皿とそうでないお皿は分けなければなりません。酸性のお皿は、いったん水でサッと流します。酸性のものは水で溶けますから、全部流れます。そうしますと残っているものは油汚れやタンパク汚れ、ご飯汚れなどになります。そうやって酸性のものを取ってしまえば、あとは石けんをつけて擦るとよく汚れを落とします。なぜ汚れを落とすことができるのか、先ほど乳化させると言いましたが、なぜ乳化できるのかというと、石けん自体が半分は油で出来ていますから、油に溶けるのです。もう一方はナトリウムという塩、塩は水に溶けます。そうすると石けんは、油にも水にも両方に溶ける性質ということになります。ですから、油汚れを水のほうに溶かすことが出来るという理屈になるわけです。

シャンプーをする場合もそうです。頭はかなり汗をかいていて、酸性になっています。そこに石けんをつけると、すぐに泡が消えてしまいます。そしてなんとなくベタベタ感がありますが、それを流してからもう一度洗うと、今度はスキッと洗えるようになってきます。お湯でサッと汗を流して、それから石けんで洗うとよく泡が立つのです。また、石けんシャンプー用のリンスは、だいたいクエン酸で作られています。普通、石けんシャンプーを流してからリンスをするわけですが、流さないでリンスをしてみてください。すると、リンスをした途端に石けんが油に戻り、ベタベタになります。お客様の中に、「石けんシャンプーはなんだかベタつく」という方がいますが、シャンプーを流しきれず石けん分が残っているうちにリンスをすると、その残った分が油に戻ってベタベタ感になるのです。

●洗濯成功の秘訣@ 汗を水で流してから

これは洗濯する場合も同じです。小さいお子さんが表で遊んで、汗をいっぱい掻いてきます。その汗びっしょり掻いたものを、そのまま洗濯機に入れると、せっかく石けんを入れて最初は泡立っていたのに、汗は先ほど言った乳酸という酸性物質なので、一部の石けんが油に戻ってしまいます。ですから入れた途端に泡がスーッと消えてしまい、攪拌しても上に膜が張ってしまうという現象になるのです。子どもさんが着た汗いっぱいの洗濯物は、いったん洗面所でサーッと水で流して、それから洗濯機に入れると、ちゃんと泡が立つようになります。

●洗濯成功の秘訣A 洗濯物と水のバランス

もうひとつは、洗濯物を入れすぎないことです。今は、脱いだら洗うということで、4人家族ですと、だいたい洗濯槽1杯よりもっと多くなってしまいます。それを無理やり詰め込んで、ボタン一つ全自動で洗うものですから、本当は水の中で回るはずが、水の上にまで洗濯物が出て回っています。また、フタを開けて見てみますと、ほんの少ししか回っていないのです。先ほど攪拌をしましたけれど、石けんを使っても激しく攪拌するとちゃんと乳化しますが、攪拌が弱いと乳化する力も弱いのです。それで油のほうが上に浮いてきます。激しく攪拌すれば浮いてこないのですから、ある程度きちんと回るように洗濯物の量をコントロールしなくてはなりません。昔の二槽式はガーッと回って止まり、反対方向に回ってまた止まるという反転をくり返していました。だからよく乳化していたのです。あの頃は、汚れ落ちが悪いとか白い石けんカスが付くとか、そういうことは少なかったのです。全自動になったら、そういう声がたくさん出てきました。ですから少し洗濯物の量を減らして入れるのです。そのために先ほど言いましたように、水でサーッと洗濯物の汗を流してから入れると重くなります。そうすると全自動は重さを自動的に量って水を入れますから、水の量が多くなります。結果として水に対して衣類が少なくなるので、よく回るようになります。汗も入らずよく回るようになりますから、きれいに汚れが落ちます。そうすると、白い石けんカスが付くなどということがなくなってきます。

●石けんカスの解決方法

石けんカスと一言でいっても、色々あります。化学的には、カルシウムなどの金属石けんのことをいいます。水中のカルシウムが石けんと結びついてカルシウム石けんになることです。硬度の高い水ほど多くできます。また、汚れそのもの、粉石けんが溶けずに白く残ってしまうもの、石けんが酸性物質により油に戻ったものなど、複数の混じったものを指して石けんカスといっています。それぞれの家庭によって原因が違いますので、同じように「石けんカスが付いて困っている」と言っても、よくその家庭の事情を聞いてみないと、どのような原因か分からないということになります。しかし、ほとんどは様々な原因が混じりあったもの(表2)ですから、お話ししたように、洗濯機には衣類を入れすぎず、酸性のものを入れず、良く攪拌できるようにすれば良いわけです。

 (表2)
 [ 石けんカスとは ]
  1. 汚れ[垢(タンパク・脂肪などの皮脂汚れ)、ほこりなど
  2. 繊維くず
  3. 洗濯槽(外側)についた汚れ、カビなど
  4. 石けんの溶け残り(粉石けんの場合)
  5. 石けんが酸性物質(汗など)により脂肪酸(又は酸性石けん)に変化したもの
  6. 金属石けん(カルシウム石けんとも言い、水中のカルシウムと石けんが結合し、水に不溶性となったもの)
  7.  の6種類が結びついたもので、その家庭での洗濯物の量と質で変わります。また洗濯機の種類と洗い方で変わります。
 [ 洗濯とは ]
  衣類に付いた汚れを水と石けんと機械力で衣類から引き離し、一部溶解、一部乳化(コロイド化)して落とすことです。
@ 水だけで洗濯しても石けんカス(白い粉)がつくことがある。・・・この場合1.+2.+3.
A 石けんの量が少ない場合・・・1.〜6.の混合物になる。臨界ミセル濃度(cmc) 以下のため、汚れを石けんで乳化できず、汚れが寄せ集まり(凝集)白く固まったものになる。
B 石けんの量が適量であっても、汚れが多かったり洗濯物量が多い場合、石けんカスがつくことがある。この場合1.〜6.で機械力が不足したり、汚れが多いと、これに石けんが使用され、十分にcmcに達せず乳化不十分になる。
臨界ミセル濃度=界面活性剤の水中での濃度をだんだん高くしていくと、ある濃度以上(100?500ppm)になると界面活性剤の分子が数十個集合してそれぞれ1つの塊を作る。この塊をミセル(会合体、かいごうたい)という。ミセルのできる濃度を臨海ミセル濃度(critical micel concentration. cmcと略記)と呼んでいる。界面活性剤の水溶液の性質は、ミセルができる臨海濃度から急激に変わり、洗浄力を発現するようになる。このことから洗剤が少なすぎても、むやみに多すぎても洗浄に適した効果が得られないことになる。 (新書版 洗剤の辞典:合同出版より)
●洗濯成功の秘訣(おまけ) 思い切ってバスタオルを使わない!?
長谷川 治

さらに、洗濯物を減らすためには、汚れていないものを入れないということです。一番は、バスタオルを入れないことです。体をきれいにしたあとで拭くわけですから、そんなに毎日洗濯する必要はないわけです。バスタオルを家族4人が4枚いっぺんに入れたら、もうそれだけで洗濯槽半分以上になってしまいます。その上にさらに洗濯物を入れるから大量になってしまうのです。一番はバスタオルを入れない、入れないためにはどうするかと言ったら、バスタオルを使わないようにするのです。私が子どもの頃、バスタオルはありませんでした。今でも家にはありません。どうやって拭くのかといったら、体を洗う普通のタオルを絞って、それで拭いて出るわけです。そしてこのタオルは、洗濯機には入れません。またお風呂場に置いておき、次の人がそれに、石けんをつけてタオル自体を洗いながら、体も洗うのです。このようにしてバスタオルを使わないと、洗濯物の3割くらいが減るのです。洗濯機が良く回るように工夫をすれば、洗濯での様々な問題は、ほとんど解決するということになってくるのではないかと思います。

(おわり)

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