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レポート
油 脂肪

■見る・聞く・触る 実験を通して知る石けん

太陽油脂株式会社 取締役家庭品販促・開発部長 長谷川 治

少し肌寒い2007年11月初旬、高校生7名が太陽油脂本社へやってきました。自ら希望して来ただけに、真剣に耳を傾けメモを取る横浜のS高校の生徒たち。その講習会の様子をご紹介します。

今日は、色々と実験を用意しましたので、この実験結果から、洗うとはどういうことか∞どうして汚れが落ちるのか∞石けんはどうやって作られるのか≠ゥら、バイオ燃料∞環境問題≠ワで考えてみたいと思います。

まず、この工場で何を作っているかというと、ひとつは食用油脂です。「油」に「石」が付くと「石油」になります。これは食べられないもので、この石油からガソリンや灯油ができます。同じ油でも「油脂」は食べられる油、「食用油脂」です。サラダ油やてんぷら油など、みなさんも日常、家庭で使っているものです。

油 脂肪

油脂は、「油」と「脂」二つの意味があります。「油」と「脂」は、見た目の違いです。液体になっているものを「油」、固まっているものを「脂肪」と言います。しかし、性質は同じです。脂肪は、熱すると溶けて油になります。油は冷蔵庫に入れておきますと、固まって脂肪になります。油脂は、「グリセリン」と「脂肪酸」が結合しているものです。これに「アルカリ剤」(「カセイソーダ」や「カセイカリ」)を加えると、石けんになるのです。

石けんが発見されたのは、今から約五千年前、紀元前です。どこで最初に発見されたかというと、今のイラク、石油が採れるところです。かつてメソポタミア文明という世界で一番初めに栄えたところで石けんが発見されています。羊の肉を焼くと、熱がかかって液体の油がポタポタと落ちてきます。下では木が燃えて灰ができます。それに水を加えてかき混ぜるとブクブクと泡が出てくるということから、石けんが発見されたのです。その後もずっと、油と灰を混ぜて石けんを作っていたのですが、もう少し良い石けんが出来ないかと考えた人がいて、その人は、海水を活用しました。

海水中にはNaCl(塩化ナトリウム)という塩が入っています。これを分解すると、カセイソーダになります。ナトリウムは別名「ソーダ」です。現在は、油と塩からとったナトリウム、つまりカセイソーダを混ぜて石けんを作ります。

今日は、オリーブ油とヤシ油を混ぜたものと、菜種油がありますので、2種類の石けんを作ってみます。また今、世界的に流行っている石油の代わりのバイオディーゼル燃料(BDF:Bio Diesel Fuel)も作ります。これは、軽油(ガソリン)を使わず車を走らせることが出来ます。これには現在、世界的には主に菜種油を使っています。菜種油をそのまま車に入れると、ベタベタと重いのでうまく燃えず車が走りません。そこで、この菜種油にアルコールを入れますと、菜種油とアルコールが反応して「エステル」が出来ます。アルコールには、大人になると飲めるビールなどの「エチルアルコール(エタノール)」や飲めない「メチルアルコール」などがあり、どちらを使っても良いのですが、今日はメチルアルコールを使ってみます。

●実験1:石けんとバイオディーゼルを作る
油をカセイソーダ水溶液にゆっくり入れる タオルでくるんで

油をカセイソーダ水溶液にゆっくり入れる。全部入れたら、こぼれないように、しっかり蓋を閉める。

タオルでくるんで、冷えないようにして振る。

ひとつは『油とカセイソーダ』、もうひとつは『油とメチルアルコール』、それぞれ2つを合わせて振っていただきます。約30分間振ると、石けんやバイオディーゼルになります。その間に工場を案内しますので、工場見学をしながら、それぞれ交代で振ってください。

 ↓
工場見学へ
 ↓
再び講義
 ↓

(A)・(B)はオリーブ油とヤシ油が入っています。ヤシ油が入ると、早く石けんになります。ヤシ油の成分の「ラウリン酸」という脂肪酸が多いと、石けんになりやすいのです。オリーブ油は「オレイン酸」が多いのですが、これは少し時間がかかります。(C)の菜種油にはラウリン酸が入っていないので、石けんになりづらく時間がかかります。油の成分によって、石けんの出来方は微妙に変わるのです。そこにアルコールが入れば、より早く石けんになります。

コップに空ける 標準タイプ さらに流れるタイプ

コップに空けると、もう固まりかけて出難くなっている。早く振ったからではなく、油とアルカリ以外にアルコール(焼酎)を1%くらい入れたから。

アルコールが入っていない標準タイプは、流れるほどの状態。

菜種油で作った、さらに流れるタイプ。

アルコール
油脂 + カセイソーダ 脂肪酸ナトリウム + グリセリン
(トリ脂肪酸グリセリド) (水酸化ナトリウム) (石けん)

BDF(バイオディーゼル燃料)

BDF(バイオディーゼル燃料)。底の方にグリセリンが沈んでくる。

最後の(D)はアルカリが少しで、ほとんどアルコールだけです。油とメチルアルコールを混ぜますと、油のドロッとした感じがなくなって、シャバシャバと軽油に似た水っぽい状態になります。ですから、油脂にアルカリが入ると石けんになり、アルコールが入るとバイオディーゼル燃料(BDF)に変わるのです。

このBDFも、アルコールだけではなくアルカリを少し入れると早く出来ます。これを「触媒」と言います。自分は変化せず、反応が早く進むのを助ける役割をするものが触媒です。

アルカリ
油脂 + メチルアルコール 脂肪酸メチルエステル + グリセリン
(BDF)
●石けんの役割

石けんは何のために作られたかというと、汚れを落とすためです。汚れには、汗や髪の毛に付いたホコリなどいろいろあります。肌に残った化粧品も汚れになります。他にも、ケチャップをこぼして付けたシミなど様々です。この汚れには、水に溶けるものや溶けないもの、それから固まって硬いものもあれば軟らかいものもあります。どうすれば汚れは落ちるのでしょうか。それぞれ汚れの質が違うので、髪の毛にはシャンプー、身体には石けんやボディーソープ、衣類には洗濯用と、別々なもので洗っていますが、ところで皆さんは洗濯機で洗濯をしたことがありますか? みんなお母さんがやってくれるのかな? せっかく洗濯しても、白いものが付いたり、うまく汚れが落ちなかったりすることがあります。

●実験2:界面張力と乳化

界面ビーカーに水と油を入れてかき混ぜてください。しかし、かき混ぜてもしばらくすると分離してしまいます。これは、油のほうが水より少し軽いからです。比重が、水は1で油が0.9くらいなので、混じり合わずに分離してしまいます。この水と油の境目を「界面」、または「表面」と言います。違うもの同士は、界面張力というものが働いて、混じりあわないのです。

真っ白い牛乳状態=「乳化」

真っ白い牛乳状態=「乳化」

台所用の石けん液を少し入れて

台所用の石けん液を少し入れてかき混ぜてみる

ここに界面張力を無くする物質を入れると、水と油が混じりあいます。石けんがその役割をするので、シャンプーでも固形石けんでも何でも良いのですが、今日は台所用の石けん液を少し入れてかき混ぜてみてください。先ほどの、水と油を混ぜたものとは様子が違います。先ほどは水と油の界面に張力が働いてすぐ分離したのですが、こちらは混ぜれば混ぜるほど油脂が細かく分散して、真っ白い牛乳状態になりました。これを「乳化」といいます。つまり身体でも髪の毛でも、衣類でも食器でも、そこに付いている油汚れを石けんでこすることによって水に溶かし込み、このような乳化状態にして油汚れを流してしまう、これが汚れを落とすということです。これは液体の汚れを液体に溶かす方法です。汚れには固体もありますが、固体でも石けんによって水に懸濁(けんだく)します。しかし、石けんではうまくいかないときがあります。それがどんな時か、次の実験でやってみたいと思います。

石けん分子 汚れを落とすということ
  水に溶かし込み、このような乳化状態にして油汚れを流してしまう、これが汚れを落とすということ
●実験3:お酢と石けんを混ぜると・・・
脂肪酸

脂肪酸

台所用の石けん液を少し入れて

ペットボトルに、液体石けんを1センチくらい入れ、さらにお酢を同量入れ、軽く振る

ペットボトルに、液体石けんを1センチくらい入れます。さらにお酢を同量入れ、蓋をして軽く振ります。白いものが上に浮いてきます。さて、この白いものは何でしょう? これは、実は油(脂肪酸)なのです。石けんは油脂とアルカリで出来るといいましたが、石けんは酸にあうと、原料の油と塩水に戻ってしまうのです。この戻った油だけを取り出してアルカリを混ぜて振ると、また石けんに戻ります。酢の物やドレッシング、マヨネーズなどお酢が入っている料理の皿を石けんで洗おうとすると、お酢と反応して石けんが元の油に戻ってしまうので、かえってベタベタに皿を汚す結果となるのです。ですから、お酢があるときはいったん水で流してから洗うようにしないと失敗してしまいます。


クリームのよう酸

泡立ってクリームのようになる

同じように合成洗剤とお酢を同量入れて蓋をし、振ってみてください。こちらは泡立ってクリームのようになります。つまりこちらは石けんではないので酸に影響されません。

市販のボディーソープには、本物の石けんで作ったボディーソープと、化学物質で作ったボディーソープがあります。どうやって区別するかというと、身体を洗ったあとシャワーで流してもヌルヌル残るのが合成界面活性剤、いわゆる化学物質で出来たものです。石けんの場合は、シャワーで流すとサッパリと流れます。ヌルヌル感がないのが石けんです。

今言ったように石けんには、酸にあうと元の油に戻ってしまうという特徴がありますから、注意して使わなくてはいけません。しかし、これは良い面でもあるのです。シャンプーやボディーソープを、小さい子どもが間違えて飲んでしまうことが時々あるのですが、飲むとどうなるかというと、胃の中に胃酸という酸(HCl、塩酸)があります。酸によって石けんは元の油と塩に戻ります。いわばドレッシングのようになるわけですから、少し飲んだぐらいなら、水を飲むか野菜を食べればよいということになります。しかし、合成洗剤のような化学物質の入ったものは、間違えて飲んだ場合、早く医者に行って処置してもらわなくてはいけません。

●実験4:使用後の石けんは、どうなるのか?

では次に、石けんは使い終わったらどうなるかという実験をしてみたいと思います。

ビーカーに水を約100cc入れます。ここに塩を4g溶かします。ちょうど海水の濃度くらいになります。溶けましたら、台所の石けん液を少し入れます。ゆっくりかき混ぜて、さぁ、どうなったでしょう。普通、石けんを入れたら溶けて泡立ってくるはずですが、白い糸状の固形物質が出来ています。この固形物はなにか。先ほど塩を溶かしました。塩の中には塩化ナトリウムが入っていますが、それ以外に「にがり」という成分が入っています。これは、「カルシウム」とか「マグネシウム」といわれるものです。カルシウムとあうと、カルシウム石けんという水に溶けないものになります。それがこの状態なのです。このカルシウム石けんは食べられる石けんです。石けんは川や海に流れるとカルシウムにあってカルシウム石けんとなり、魚のエサになります。カルシウムですから骨が丈夫になります。もともと石けんの原料は油(脂肪酸)ですから、エネルギーの素です。石けんは食べられるものから作られて、最後はカルシウム石けんになり、魚が食べて無くなってしまいます。太陽油脂では動物用のエサとしてこのカルシウム石けんを製造しています。

白い糸状の固形物質

白い糸状の固形物質

台所の石けん液を少し入れる

台所の石けん液を少し入れる

塩を4g溶かす

塩を4g溶かす


ところが、石けんも万能ではありません。茶渋のように汚れがこびりついて取れないようなもの、こういう汚れは石けんで洗ってもなかなか落ちません。こんなときは「重曹」や「酸素系漂白剤」を使うと、きれいに落ちます。それも実験をしてみたいと思います。

茶漉し 急須
実験前の茶漉しと急須
●実験5:酸素系漂白剤と重曹で汚れを落とす
急須には液を

急須には液を入れる

茶漉しはビーカーに

茶漉しはビーカーに入れる

ビーカーにお湯を注ぎ、スプーンで2杯くらい酸素系漂白剤を入れてかき混ぜ、溶かしてください。泡が出てきます。この泡は、酸素の泡です。空気中の酸素と同じものです。この酸素の力で、汚れを落とします。茶漉しはビーカーに、急須には液をそれぞれ入れてみてください。

この結果が出る間にもうひとつ実験をしてみましょう。重曹を同じように溶かしてみてください。そこにお酢を入れてみます。すると、炭酸ガスの泡がブクブクと出てきます。重曹はアルカリ性ですが、酢を入れることによってどんどん泡が出てきます。これによって汚れを落とすこともできます。

重曹を同じように溶かしてみる そこにお酢を入れる 炭酸ガスの泡がブクブク
重曹を同じように溶かしてみる そこにお酢を入れる 炭酸ガスの泡がブクブク

茶渋がすっきり!

茶渋がすっきり!

差がくっきり!

酸素系漂白剤の液に浸かっていたたところと、浸かっていなかったところの差がくっきり!

さて、先ほどの茶漉しはどうなったでしょうか。茶漉しは、5分と経たないうちに、液に浸かっていた部分が真っ白くなりましたが、浸かっていないところは汚れが取れていません。急須の茶色い汚れはきれいに落ちています。

一口に汚れを落とすといっても、石けんでこするほうが良かったり、洗濯機で洗ったほうが良かったり、酸素系漂白剤に浸けて洗ったほうが良かったり、重曹で洗うのが良かったりします。また、水の温度はぬるま湯が良いのか、高温のほうが良いのか、そういうことを勉強しておくと、じょうずに洗うことができます。

そろそろ最初に作った石けんが、固まってきました。これから約1ヶ月間熟成させますと、完全な石けんになります。1ヶ月以上熟成させた石けんを差し上げますので、今日帰ったら、お風呂で身体から頭まで洗ってみてください。または、お母さんに使ってみてもらってください。「今使っている洗顔石けんよりも、このオリーブ油を使った石けんのほうが、しっとりしていてすごくいいわ」と言うと思います。

(a)(b)(c)(d)

 (a)オリーブ油+ヤシ油+アルコール
 (b)オリーブ油+ヤシ油
 (c)菜種油
 (d)バイオディーゼル燃料


原料の話から始まり、どのようにして作られるのか、どんな特徴があるのか、使い終わったらどうなるのか、様々な石けんの話に、熱心に講習を受けていた高校生たち。最後には「どうやって石けんと洗剤の違いを広めていけばよいのか」という質問がでたり、また帰り際には「また来ても良いですか?」という声も聞かれました。今後の生活に刺激になった講習会だったのではないでしょうか。

茶渋がすっきり! 茶渋がすっきり!

(終)

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